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2017年5月31日 (水)

満洲=満州なら、水源=水原

前記事の「異郷のモダニズム 満洲写真全史」に関してである。

「洲」が当用漢字(現在 常用漢字)に採用されなかったため、「州」で代用されることが非常に多い。この展示では、ポスター始め一貫して満「洲」が使われていたのは、当たり前とはいえ、結構なことである。売店には満「州」の表記があった。売店の表示如きにイチャモンをつけても仕方がないが、やはりヒトコト書いておきたい。

誤解されている向きもあるかもしれないが「洲」と「州」は別の漢字である。異体字や旧字体と略字・新字体の関係ではない。別の字で書きかえることを慫慂するのは誤った国語政策、教育政策である。*

常用漢字にないからと言って、歴史的用語、過去の用例に遡って別の漢字で誤魔化すことは是非やめてもらいたいものである。

*州は「川の中の島、なかす」が原義であるが、地理区画、行政区画にも転用されたため、あらためて作った文字が洲である。その意味では混用されている。

しかしながら、「満洲」とは本来民族名「満洲族(マンジュ、古くは女真族と呼んだ)」であり、それが地域名に転用されたということを踏まえねばなければならない。満という州(地域)ではない。民族名ではサンズイ篇の文字を使うのが正しく、その転用である地域名もサンズイ篇の文字が正しい。

ピンとこない方もいらっしゃるかもしれないので、更に蛇足を書くと原と源の関係に似ている。

原は「もと、みなもと」の意であるが、「はら」にも使用されるようになり、「みなもと」を表す為に源ができたが、依然として原は「みなもと」の為にも使われている。それで原因、復原などは原、水源、電源などは源というような書き分けがされている。洲を使わず州だけにするのは、源という字を使わずに全て原で書け、すなわち「水源」のかわりに「水原」と書けというような愚策なのである。

なお、略字についてはそれを(国が)正式文字に、しかも部分的に採用したのはオカシイと私は考えます。例えば「仮」、正しくは假、仮を認めるなら暇を[日+反]としなければならない。傳を伝と書かせ、藝を芸(これはウンと読む別の文字)と書かせる無節操さが、教養溢れる(国語政策に忠実な?)政治家をして「云々をデンデン」と読ましむ結果になったわけです。

あまらぼ鍋屋町

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