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2018年6月 2日 (土)

物語を忘れた外国語

黒田龍之助 新潮社 20184

音を作ることが大切 http://dampflok.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-7106.html

に続いて黒田龍之助氏の本についてである。この本は17章および「はじめに」つまり事実上計18章でいろいろな本を紹介している。もとは小説新潮への連載とのことで、面白いとおもったところが多いが、私にはちょっとピンとこなかった箇所もある。もちろん意見を異にするところもある。少しご紹介しよう。

はじめに ライ麦畑の語学教師

スラヴ諸語の研究者だが、一番の専門はロシア語である著者がチェコ語で講演をすることになって、4カ月弱の期間にどういう準備をしたかが書かれている。やったことは基礎単語一万のPCへの打ち込みとチェコ語の読書だ。うーん、後者は思いつくが前者は思いつかなかった。後者はふつうチェコの文学作品をと思うがなんと星新一の作品集のチェコ語訳を選んだ。その理由はここで簡単に私が紹介するのは困難で本書を読んでいただくべきである。この本全体に通じるテーマでもある。前者の一万語はスラヴ語研究者ならでのレヴェルであろう。役に立って講演は成功したそうだ。もう少し具体的展開を知りたいが、話は本、読書、物語と言語の関係が主題となっていってこの興味深い準備の様子には戻らない。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第壱番の超印象的!オープニングテーマみたいだ。

それにしても、レイルマガジン編集者の言を借りれば「ドイツ語万年出戻り初級者」がドイツへ鉄に行く前にはどういうドイツ語復習が良いのだろうか?

全般

本の中の注について

海外のものを和訳したものには注が多く、逆は極めて少ないことが書かれている。これは数年前のNHK第二の「英語で読む村上春樹」を聞いた時にもそういう解説があったとおもう。解説は黒田氏ではなかったので念のため。黒田氏は小説の場合は鬱陶しいと感じていらっしゃるようだし、特に筋に関係なく推測できるなら要らないと考えられているようだが、私はそうは思わない。もちろん本文中に割って入るのは良くないが、欄外にあるのは良い。巻末だと参照するのが面倒だ。特にキリスト教関係や地誌・歴史に関する事項などの背景を知らずに、読み飛ばすとまずいとおもう。これは私が読むのは、小説・物語以外のものがほとんどなので、小説などにもそういう餘計な要求をするのかもしれないが。

いろいろと面白い本なので、、、つづく

あまらぼ鍋屋町

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